Visual Studio 11 における C++ の新機能

試しに Visual Studio 11 を使ってみることに。
長い時間インストールを待っている間に、C++関連でどんな機能が追加されてるのか以下で確認してみました。

What's New for Visual C++ in Visual Studio 11 Beta - MSDN
http://msdn.microsoft.com/en-us/library/hh409293%28VS.110%29.aspx


興味があるのだけ抜き出してるので、ところどころ飛ばしています。


C++11標準のサポート

• 新しい標準テンプレートライブラリ(STL)ヘッダのサポート
  <atomic>, <chrono>, <condition_variable>, <filesystem>, <future>, <mutex>, <ratio>, <thread> といったもの。

• 範囲ベースのforループ
  　for (int a : v) { ... }
  みたいなもの。

• stateless lambdas
  [] で開始し、ローカル変数をキャプチャしていないコードブロック（ラムダ式）は関数ポインタに暗黙に変換可能らしい。EnumWindows()とかのためにコールバック関数を別に書かなくてもいいということですね。どちらの書き方が良いかは別として。
  
  stateless lambda - 東方算程譚
  http://blogs.wankuma.com/episteme/archive/2012/02/29/253885.aspx
  
  stateless lambda (そのに) - 東方算程譚
  http://blogs.wankuma.com/episteme/archive/2012/03/16/260127.aspx

Metroスタイルアプリケーション開発のサポート

• Visual C++ Component Extensions (C++/CX)
  Metro開発用のC++拡張。パッと見、C++/CLIに似てる。

Visual C++コンパイラ・リンカの改善

• 自動ベクトル化
• 自動並列化
  このあたりはインテルの最適化コンパイラだと割と前からあったような記憶があるけども。

• C++ AMP (Accelerated Massive Parallelism)
  GPUなどを使ってC++コードの実行を高速化させるものらしい。多次元配列、インデックス、メモリ転送、tiling、数学関数ライブラリを含む。

IDE

• C++プロジェクトや項目のテンプレート

• リモートデバッグの自動化
  今まではリモートデバッグ時にはリモートコンピュータに必要なファイルをコピーしなければいけなかったのが、VS11ではファイル配置とか自動的にやってくれるらしい。

• C++/CLI IntelliSense
  普段C++/CLIを使わないんで知らなかったけど、今まで使えなかったのか…（完全じゃなかっただけかも）。

• コードスニペット
  C++以外の言語ではすでにあったらしい、コード補完機能。

コード品質ツール

• 静的コード解析
  Professionalでも使えたらと思ったけど、パフォーマンス分析と同様に、静的解析はUltimate/Premiumで使えるけどProfessionalでは使えないみたいですね。ちょっと残念。

• 新しい単体試験フレームワーク
• コードカバレッジ
  これまでマネージコードの単体試験はありましたが、ネイティブC++でも単体試験を実施できるようになっています。コードカバレッジにより、コード全体のうちどの部分が試験されていて、どこが試験されていないかを確認できるようになっているみたいです。

ひとまずインストール完了したら使ってみることにします。
現在インストール中なのが VS11 Beta Professional なので、Ultimate/Premiumのみの機能は試せないでしょうが。


2012/04/08 追記

実際に試してみましたが、静的コード解析については「コード分析」という名前で存在し、Professionalエディションでも使える模様です。一方、単体試験フレームワークもProfessionalに存在するものの、コードカバレッジについてはProfessionalでは使えないようです。
また、パフォーマンス分析（プロファイラ）についてはProfessional版でも利用可能になっているようです。